04スタッフの一日
作業を通じて
生きがいや喜びを提供したい
“伝える”のではなく
一緒に“やり方を見つける
作業療法士の仕事は、身の回りの動作が行いづらくなった患者さんと、どういう手順でそれを行えば一人でできるようになるのか、あるいは家族がサポートしやすくなるのか考えること。決して“伝える”のではなく、一緒になって“やり方を見つけていく”というスタンスで患者さんと向き合うほうが正解だと思っています。
もちろん、その症状と患者さんがやりたい作業、例えば着替えや顔を洗うということを結びつける“型”はありますが、患者さんによって少しずつ症状が違ったり、昔からこの“やり方”とこだわりは違います。そのため、その患者さんにあったやり方は、必ずしもその“型”に合致しないことが往々にしてあります。チームを形成している多職種のメンバーと意見交換しながら、例えば洋服の種類を変える、補助具を使うなど、患者さんとご家族によって最適な方法を見つけていきます。
「これをやってみたい!」
そんな気持ちが原動力になる
言うまでもなく、一番つらい思いをしているのは、これまで自分でできていたことができなくなってしまった患者さんご本人であり、そのご家族です。その心の痛みを完全には理解できないとしても、相手のことを思いやり、想像し、その気持ちにしっかり寄り添うことはできます。リハビリはつらいものと思われがちですが、少しでも楽しく、患者さんが身体的機能を取り戻してもらえるよう、さまざまな工夫をしています。
例えば、昔、大工さんだった人には、ちょっとしたモノづくりからチャレンジを始めてみる、ブログを書いて病院以外の人とも繋がりを持ち続けたい人には、タブレットを使った簡単な文字入力や、写真もご自分で撮れるよう手振れの少ないデジタル一眼レフカメラを使う練習もします。「これをやってみたい!」と思う気持ちが原動力になって、生きがいや楽しみにつながっていったら、サポートする側としてもなおさら大きな喜びを感じます。
作業ができるようになると
自信も生まれ、生きがいになる
入職して回復期の病棟から5年目で生活期の病棟に異動となり勤務しています。
主には長い在宅生活の中で、体力が落ちてきてしまった方や、難病をお持ちで徐々に体の機能が低下してきてしまった方へのサポートが中心です。身の回りの動作以外にも、ご家族と一緒に以前よく作ってくれた「味噌汁」を作る、ひ孫への「プレゼント」を送る、遠くに住んでいる息子さんへの「メール」を作成するといった活動(作業)を通して他の人との繋がりが持てる機会や時間を大切に思っています。
5年目の今年、チームの中ではどんなに小さなことでも、その人らしくあるためのこだわりを生活の中でできるように、練習や提案をしていきます。また、小さな変化に気づくことができるように患者さん、ご家族との一日・一日を大切にしていきたいと思っています。
作業療法士の一日
- 08:45
- 始業。
患者さんの朝食後の整容動作を行います。
夜間の様子を含めた申し送り事項の共有。 - 09:00
- リハビリ実施。1名につき20分〜40分実施。4〜6名
入浴日の際は必要に応じて動作の評価を風呂場にて行います。 - 12:00
- 昼休み。
休憩時間をずらして患者さんの食事の評価をPT・STや病棟スタッフと一緒に行なうこともあります。 - 13:00
- リハビリ実施。5〜7名。
- 15:00
- 患者さんが楽しくお茶菓子が食べられるようにサポート。
- 17:00
- リハビリ終了。掃除をしてカルテを記入。業務終了。